2022年度4Q MedPeer AwardでExcellent Performer賞を受賞した、フィッツプラス システム開発部 フロントエンドエンジニアの相澤 哲斗さん。相澤さんはダイエットプラスの管理画面をリニューアルするプロジェクトをリードし、その活躍を評価されました。
フロントエンドエンジニアでありながら、企画へバックエンドへと縦横無尽に越境していった彼の挑戦に迫ります。
※MedPeer Award Excellent Performer賞とは
メドピアで四半期に一度行なわれる社内表彰の、受賞部門のひとつ。Credoを体現し、定量的な成果だけではなく定性的にも会社全体にポジティブな影響を著しく与えた方に授与される賞。
フロントエンドの自分がバックエンドから企画まで――領域を越境したプロジェクト
――Excellent Performer賞の受賞、おめでとうございます。早速ですが、受賞の理由になったプロジェクトの概要を教えてください。
管理栄養士さんがダイエットプラスにコンテンツを掲載するための管理画面をリニューアルするプロジェクトです。元の管理画面はかなりレガシーな技術で作られていたため、今では使いづらい状態になっていました。さらに、開発当時の情報も少なく、メンテナンスの難易度が高かったことも課題でした。
それらの課題解決のため、管理画面を新しい言語で完全にリプレイスするプロジェクトが2022年10月に発足。そこで私はメインのエンジニアを務めました。
通常だとフロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアが複数名参画するチームを作るのですが、今回は基本的に私一人と、インフラの構築周りでヘルプに入っていただいたSREメンバーが1名。もう1名、ヘルプでコードレビューに入ってもらったフロントエンドエンジニアはいますが、バックエンドエンジニアは不在です。
――少人数体制ですね。
はい。リソースを最小限に抑えながらも最大の成果を出すための工夫が必要でした。そこで、私一人でフロントエンドもバックエンドも網羅できるように、HasuraとNuxt 3での構築を提案したんです。これは元の管理画面で使われていたPostgreSQLとの相性も考慮した選択です。メドピアの他のプロジェクトでも事例がなく、社外でもまだまだ情報の少ない挑戦的な取り組みでしたが、会社には背中を押してもらえました。
少人数体制ということで、今回はプランナーにあたる役割も私が担当しました。今回のリニューアルでは単純にリプレイスするだけでなく、管理画面がちゃんと使いやすくなることも目指したかった。そのため、実際に利用するメンバーや、メンバーを経由して管理栄養士さんにもヒアリングを重ねて、どんな改善が必要なのか検討するところから始めました。
――バックエンドのみならず、企画にまで踏み込んで推進していったのですね。相澤さんはバックエンドやプロジェクトマネジメントの経験が過去にもあったのでしょうか。
いえ、どちらも今回が初めての経験でした。でも企画に踏み込んだことは負担よりもメリットの方が大きかったです。実装しながら気づいた懸念点をユーザーに直接確認することができて、スピード感もあり、より良いプロジェクトになったのではないかなと思います。
バックエンドの基礎的な学習は大変でしたが、メドピアの協力的な環境にとても助けられました。プロジェクト外のメンバーにも気軽に質問できる雰囲気がベースにありますし、定期的な雑談会、勉強会も設けられています。それに、技術の知識レベルがとても高いので頼りになるんです。
ただ、HasuraとNuxt 3で構築するにあたっての情報収集や、Hasuraのコード文を理解するまでの学習には苦労しました。事例がないので、Hasuraの公式ドキュメントを英語で読んで学んでいくしか方法がなかったのです。その分今回の経験で得たことは大きかった。それについては今後社内の勉強会やテックブログで発信することで、知見を社内外に還元していきたいと思っています。継続的な運用のためにも大事な共有になるはずです。
新しい挑戦に積極的な理由
――今回のプロジェクトで自分自身に変化はありましたか。
プロジェクトの完遂が自信につながったことは間違いありません。フロントエンド以外の経験を積めたことも大きな糧になりました。
言語の進化により、エンジニアの技術領域において「フロントエンド」と「バックエンド」の境界は融合的になってきています。その背景から、どちらも知っていた方がエンジニアとして活躍の場が広がるのではないかと思い、バックエンドを学ぶ機会を以前から探していたんです。今回のプロジェクトは自分のキャリア形成においても重要な機会でした。
基礎知識を得たことで、バックエンドエンジニアのメンバーとのコミュニケーションもスムーズになりました。今後技術領域を越えてコミュニケーションの橋渡しをする役目になれば、より良い開発ができるようになると思います。
――ご自身にとっても成長の機会になったのですね。とはいえ未経験領域への挑戦はエネルギーが必要なものだと思います。バックエンドや企画へと「はみだし」ていったり、事例のない構築も担ったり……どうしてそれほど積極的に挑戦できるのでしょうか。
「開拓する」ことそのものに喜びを感じるからでしょうか。技術でもなんでも、新しいことへの取り組みは吸収できることが多くあります。自分自身の技術力も上がるし、知見の発信によって会社や技術コミュニティにも貢献できる実感があります。一石二鳥だなと思います。
今年9月にDietPlus ProのNuxt 2 からNuxt 3へのバージョン移行を担当できたのも、このプロジェクトで積んだ新たな経験があったからだと言えます。Nuxt 2は社内のさまざまなプロジェクトで使われていますが、Nuxt 3はまだまだナレッジが不足していました。ダイエットプラスの管理画面のリニューアルでNuxt 3にもしっかり触れることができたので、経験が活きましたね。
――得た経験を次の仕事に活かして、成長を続けているのですね。
とはいえ、挑戦も自己成長もあくまで主観でありプロセスの話です。一番大切なのはプロジェクトに対して求められる結果。そのサービスのユーザーに喜んでもらうということに尽きます。たとえ小さな機能でも、実装したものが誰かの役に立つことを願っています。自己満足にならないように、ユーザーが使いやすいものを作ることをいつも目標にして、改善点も自ら提案して変えていくことは意識していますね。
たとえば、ダイエットプラスの管理画面ではレシピのアップロード機能を改善しました。元の管理画面はアップロードが画面上で完結せず、4ステップくらいの工数が必要だったんです。これではユーザーの負担が非常に大きい。プロジェクトでは当初この機能に手を加える予定はなかったのですが、併せて改善することにしました。
リニューアル後に、実際に運用メンバーから「操作がしやすくなった」と声をいただけたのでよかったです。
――自分自身がサービスを普段から使っていないと、気づくのが難しいのではないでしょうか。
そうですね。同じ目線に立てるように、一度ユーザーと同様にひととおり機能を触ってみて、どう直すのが良いか整理することを意識しています。
メドピアのエンジニアはみんなユーザーに向き合って質の高いプロダクトを作っていて、日々学びも怠りません。そんな環境だから、私もユーザーが喜んでくれることを追求し続けられています。
とにかくインプットとアウトプットを続けること
――相澤さんがメドピアに入社されたのも、その環境に惹かれた点があるのですか。
はい。メドピアに入社した理由の一つはVisionとCredoへの共感です。それを体現しているメンバーと一緒に仕事ができる環境を求めていました。実際に入社すると、みんな人の役に立つことを本気で考えていて、そのための学習意欲が非常に高いことがわかりました。勉強会も頻繁に開催されているし、大小様々なチャレンジを続けています。私は前職で身につけたフロントエンドの技術を最大限活かしたいと思っていたので、モダンな技術を積極的に採用している点も魅力でした。
ーーそんな志を同じくする仲間がいる環境での、今後の目標を教えてください。
2021年8月に入社してから今まではリニューアルや改修など、既にあるサービスを改善するプロジェクトが多かったので、一からサービスを作る経験ができたらいいなと思っています。そのためにも今持ち合わせている技術に胡坐をかかないように、インプットを続け、得たものは形にこだわらずどんどんアウトプットしていく。それが一番早い成長軌道だと思うので、その意識を持ち続けたいです。
10月28日(土)にはVue.jsの国内最大のカンファレンスであるVue Fes Japan 2023が開催されるので、ダイエットプラスでもトライしたようなNuxt3への移行に関して、他社さんの事例を多く聞ける機会になるかもしれませんね。メドピアからもフロントエンドテックリードの小林 和弘さんが登壇するので楽しみです。
積極的に学習して自分の役割からどんどんはみ出し、ユーザーや使い手の役に立つプロダクトへ進化させる。ダイエットプラスの管理画面リニューアルにNuxt 3へのバージョン移行と、担当プロジェクトに様々な挑戦を交えて推進してきた相澤さんには、しなやかなポリシーが感じられました。
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