「Supporting Doctors, Helping Patients. 医師を支援すること。そして患者を救うこと」のミッションのもと、さまざまな医療従事者向けサービスを展開しているメドピアグループ。
今回は主に薬剤師向けサービスの開発を担当する「ヤクメド開発グループ」の川﨑 将憲さんにチームの特徴や今後の展望を聞きました。
集合知プラットフォーム事業部 開発部 ヤクメド開発グループ 川﨑 将憲
2018年6月1日メドピアに入社。2022年10月からは『ヤクメド』『ヤクチエ』シリーズの開発チームでグループリーダーを務める。川﨑さんのキャリア変遷についてはブログで公開中!
※ヤクメド…薬剤師限定のコミュニティサイト
※ヤクチエ…薬剤師の業務支援アプリ
メンバーに伴走し、チームの課題を共に考える
――本日はよろしくお願いします。現在「ヤクメド開発グループ」のグループリーダーを務めている川﨑さんですが、『ヤクメド』に関わり始めたのはいつ頃からだったのでしょうか?
2019年6月からです。サービスリリースから約2か月が経過したタイミングで、エンジニアは私を含めて1〜2名、全体でも5名ほどの小規模なチーム体制でした。当時はリーダーと相談しながら、実装やレビュー等の開発業務をメインに担当していました。
――グループリーダーとなった現在は、どのようなお仕事をされているのでしょうか?
現在はインフラやサーバーサイド領域の開発業務に加えて、開発チーム全体のマネジメントや採用など、いわゆるテックリードやEM(エンジニアリングマネージャー)としての業務も担当しています。
あらゆるものを自分だけで動かすのではなく、メンバーと目標や課題を共有し、伴走しながら「チームとしてどう改善し目標を達成するか」を全員で考えていくように促すのがグループリーダーの役割だと思っています。とはいえ、いざというときは意思決定をする立場なので、自分が開発の全体像を把握しておくことに努めています。
多様なメンバーが相乗的に活躍する組織
――『ヤクメド』開発グループで扱っているサービスについて教えてください。
扱っているのは、主に薬剤師の先生方の支援を目的とした『ヤクメド』と『ヤクチエ』という二つのサービス。
『ヤクメド』は、調剤などの薬を扱う”対物”業務から、服薬指導や調剤後のフォローといった”対人”業務へと年々業務の幅を広げている薬剤師の先生方へ、お悩み解決や学びのサポートができるサービスです。
一方、『ヤクチエ』は実際の業務に活用いただけるアプリシリーズになっています。本シリーズは、2023年2月にリクルートメディカルキャリア社から譲り受けました。日頃の調剤業務に必要なお薬に関する情報に「素早く・手軽に・わかりやすく」アクセスでき、薬剤師の先生方の業務支援やスキルアップ支援を推進することを目的としたサービスです。オフラインでも利用できるため、Wi-Fi接備が整っていない医療施設内でも使えるとご好評いただいています。
――『ヤクメド』開発グループでは「スクラム」を採用していると聞きました。なぜスクラムを取り入れたのでしょうか?
スクラムを取り入れることで、透明性やチームワークを高め、事業環境の変化に適応できるチームでいたいためです。
デイリースクラムで困っていることを共有したり、PM側からエンジニアに技術的な相談があったり。必要であれば、アジェンダを別のミーティングに切り出して具体策を講じることもあります。
最近、『ヤクチエ』シリーズも加わり、組織も大きくなってきました。調剤支援チームは全体で約20名の規模で、そのうち半数がエンジニアで構成されています。はじめにお話したとおり、私が『ヤクメド』に関わり始めた当時は、5名ほどのチームだったので、人数は4倍になりました。
チームの拡大に伴ってやりたいことやできることが増えてきました。一方で、医療業界自体の変化と急速な技術進歩によって、ビジネスを取り巻く環境も急速に変化しており、『ヤクメド』と『ヤクチエ』のシナジーの広がりも確実な予測が難しい。だからこそ、多種多様なメンバーがコラボレーションしながら、改善を繰り返して事業を成長させやすいスクラムは良い選択だと思っています。
――メンバー間のコラボレーションのしやすさも大切なんですね。
そうですね。事業に向かうために多様なメンバーが相乗的に活躍できるのは『ヤクメド』開発グループの強みだと思っています。それぞれ個性があり、専門性を持つメンバーばかり。若手からベテランまでバランスよく在籍しており「フレッシュさと深い知見」が共存しています。
一人ひとり得意・不得意はあって当然ですし、経験値も異なります。だからこそお互いが歩み寄り、苦手分野をカバーし合って業務を進めることが大切です。
さらに事業環境が移り変われば、今までチームになかった能力をもった新しいメンバーが必要になります。最近の例で言えば、看護師からPdM(プロダクトマネージャー)へ転身したメンバーがジョインしたことで、医療従事者の目線を取り入れられたり、分析を得意とするPdMによって今まで漠然と繰り返してきた改善が、「数値」という根拠に基づいて行われるようになったり、サービス開発に良い影響が生まれています。
このような組織の変化やメンバー同士のコラボレーションによって生み出される成長を感じられるのが、『ヤクメド』開発グループの魅力ですね。
開発スピードと堅牢性の担保をするために
――『ヤクメド』開発グループの課題になっていることはあるのでしょうか?
先ほどもお伝えした通り『ヤクチエ』シリーズという新しい武器を手に、事業を一歩前に進めることができました。だからこそ、これまで以上の開発スピードとシステムの堅牢性が求められます。
開発規模が大きくなってくると、それらの求められることに応じてルールの整備や働き方の枠組みが必要になると思っています。
とはいえ、ルールで縛りすぎると生産性が下がったり、メンバーの裁量が奪われてやりがいを感じられなくなるリスクもあります。組織としてのバランス感覚が問われるフェーズです。
――現在の課題に対する取り組みを教えてください。
現在注力しているのは、FourKeysとプルリクエストのサイズを指標に置いた改善活動。レトロスペクティブなどで振り返りを行いながら、数値の改善に取り組んでいます。
障害発生率を抑えながらスピードを上げていくためには、設計レビューの徹底やQAを含むデプロイフローの改善など、さまざまな取り組みが必要です。私たちは、とくにプルリクをできる限り小さくし、レビューの精度向上や高速化に力を入れています。さらに、可能な場所はフィーチャートグルを活用してこまめなリリースを意識しています。
2022年10月にFindy Team+を導入したことで、モニタリング環境も整いました。開発の質の可視化や計測が進んだのはポジティブな成果だと思います。
取り組み開始から約半年、平均500行前後だったプルリクのサイズは200行以下となり、デプロイ回数も0.2/日だったものが、1/日以上になりました。
デプロイ回数は1日複数回が望ましいと言われているので、まだまだ改善の余地はありますが、良い方向に進んでいると思っています。
変化を恐れず、課題を乗り越え続けられる組織へ
――『ヤクメド』開発グループの今後の目標を教えてください。
先述した「開発のスピードを損なわずにシステムの堅牢性を向上させる取り組み」の継続を大前提に必要な変化を恐れず、課題を乗り越えられる組織であり続けたいと思っています。
今後はサービスも組織も拡大していき、事業フェーズも変わっていくでしょう。そんな中でも意思決定スピードは下げずに維持し続けたいですが、売り上げや会員が増えていけば当然サービスに対する責任も大きくなっていきます。
品質、コスト、納期、そのとき何を優先すべきかは今後もチームで話し合い、ユーザ視点も持って意志決定していきます。
また、『ヤクメド』と『ヤクチエ』のサービスに関しては、どちらの魅力も際立たせながら、両方使われることで相乗効果を生むようなサービス群にしていきたいです。その構想は社内でもよく会話しています。
――「変化を恐れず、課題を乗り越える」組織であるためには、どんなことが大切でしょうか?
システムを運営していれば、エラーや障害が発生することもあります。大きな障害が発生すると組織は守りに入ってサイロ化してしまったり、念のためといって余計なルールを設けてしまうこともあり得ます。
しかし、現在の『ヤクメド』と『ヤクチエ』はこれまで以上に「攻め」が重要になるフェーズだと思っています。
システムを守りながら、機能開発としては攻めの姿勢で進めたい。そのためには、問題が発生したときに目をそらさず、とことん向き合わないといけないなと思っています。たとえば、障害が発生した後の対策として、根本の対応を変えたり、組織編成を見直したりすると変革コストが高いので避けたい、という場合もあるかもしれません。しかし、それが進むとどんどん問題に触れにくくなってしまい、組織的に動くタイミングを失ってしまいます。
「やりにくい」「面倒くさい」「言われたくない」ということにも健全に向き合いながら、包み隠さず、是正すべきところは是正する。変えていくべきところを指摘して、ぶつかり合うことで「変化を恐れず、課題を乗り越える」組織になれると考えています。
課題から逃げずに真摯に取り組めるチームのあり方を語ってくれた川﨑さん。今後も『ヤクメド』開発グループの躍進に期待しています!
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