裏方仕事を愛するSREが静かに追い求める挑戦

メドピアグループは「Supporting Doctors, Helping Patients.」のミッションの下、多くの事業を展開しています。VPoE室SREチームは、メドピアが提供するさまざまなサービスを支える事業部を横断する組織として、多くの役割を担っています。

今回は、SREチームのメンバーである金指（かなざし）健太郎さんにお話を伺いました。

金指健太郎 VPoE室

異業界から、インフラ一筋のITエンジニアへ

――本日はよろしくお願いします。まずは、現在のお仕事内容を教えてください。

VPoE室のSREチームに所属しています。VPoE室はメドピアグループの事業部別にある開発チームを横断する組織です。システムのインフラ・サーバー構築や監視、そして、エンジニアの開発環境が向上するサービスの導入やシステムの構築を担当しています。

――これまではどのような経験をされてきたのでしょうか。

エンジニアとしてのキャリアで言えば、一貫してインフラ側の業務に携わってきています。

元々は映像系の専門学校を卒業後、テレビ局のアシスタントをしていまして、ITエンジニアとは別の世界にいました。その時の同僚に元エンジニアの人がいたのですが、その方に仕事の話を聞いたのがきっかけでエンジニアを目指すようになりました。

当時は未経験でしたが、ポテンシャルを見込んでくれた企業に出会え、エンジニアとしてのキャリアをスタートさせました。

メドピアへ入社前まで勤めていたのは、2社のソーシャルゲーム制作会社でした。大小さまざまなプロジェクトを進めていく中で、サーバーがいきなり落ちたり、データベースが壊れたり……いくつかのトラブルも経験しました。でも、トラブルのまったくない会社はありませんし、起きたときのトラブルシューティングや再発防止対応などを若いうちに経験することができれば必ず後に活きてくると思い、進んで取り組むようにしていました。結果、今、振り返っても今後のエンジニアキャリアの支えにもなる良い経験ができたと思っています。

仲間の助けになるような裏方仕事が好き

――酸いも甘いも、自ら経験しにいくというのはとてもタフですね。メドピアへ入社することになった経緯も教えてください。

そもそも自分自身が、ルーティンワークに近い仕事よりも刺激を求める性質もあるかもしれません。

前職のインフラ環境はオンプレミスでした。そこで次はクラウドの経験を積んで新しいチャレンジをしたいと思ったのが、転職を検討したきっかけです。

最終的には理念への共感度が高かったメドピアに惹かれ、入社を決めました。

僕自身や家族も基礎疾患があり医師にお世話になる機会も多かったので、医師や医療機関に恩返しすることで、その先の患者さん・社会に大きく貢献できる――すなわちメドピアのミッション「Supporting Doctors, Helping Patients.」を実現する一員になりたいと思ったんです。

――金指さんの今の仕事の魅力はどんなところにありますか。

地味ながら、必ず誰かの役に立つ仕事ができることです。

私は子会社のMediplatを主に担当しています。Mediplatでは「first call」というサービスを提供しているのですが、規模が大きく、ユーザ数の増加に伴ってサーバのスケールが難しくなってきていたり、大小様々な課題が顕在化してきました。そこで、コストとの釣り合いを考えつつ、トレンドに則ったインフラ管理方法に変えていっています。

最近だと、first callのシステムをMicrosoft AzureからAWS（Amazon Web Services）に移行して、先に挙げたサーバのスケールを簡略化したりと、移行前に課題として持っていた箇所をある程度解決出来るようになりました。

――思い出深いプロジェクトがあれば教えてください。

そうですね。入社当時に遡りますが、IaC（Infrastructure as Code）ツールであるTerraformのテンプレートを作ったことでしょうか。インフラをコード化するためにTerraformを使い始めたばかりの頃、チーム内で管理方法が二分されてしまっていたのが課題でした。案件を引き継いだり、作り替えようとすると、毎回調べるとこから始めることになり非効率です。そこで、管理方法をひとつに統一するために、元になるテンプレートを作って運用しました。

その後、見直しをはかって今はまったく違う方法になっているのですが、当時はベストな改善だったと思っています。やっぱり、エンジニア仲間の助けになるような裏方仕事が好きなんでしょうね。

チームの信頼関係が、スピード感と新しいチャレンジを生む

――仲間に伴走することにやりがいを感じるのですね。お人柄が伝わってくるように思います。金指さんの考えるメドピアの魅力はなんでしょうか。

とにかく案件が立ち上がるスピードが早くて、新規構築の仕事がどんどん舞い込んでくるところです。メドピアはすでにスタートアップと言えるフェーズではありませんが、それくらいのスピード感やフットワークの軽さがあります。「え、あの話、もう役員会議を通ったの？」といったような。

――SREのチームはどんな雰囲気ですか。

スピード感があります。私たちのチームは割と裁量があり、やりたいことがあったらやっていいよというカルチャーなんですね。経験値としてもシニアなメンバーが揃っているので、「あいつがやりたいって言うんだったら間違いないだろう」という信頼関係ができています。だから、意思決定のスピードも速いし、新しいチャレンジもしやすい環境です。

2021年から行なっている「ゲームデー」も、SREチームを象徴する取り組みかもしれません。

――ゲームデーですか。

セキュリティのインシデントが起きたことを想定して実施する、AWSの防災訓練みたいなものです。おととしにSREチーム内で小規模に試してみて、2022年にはSREチーム以外のエンジニアや経営陣、AWSの方にも参加してもらって大規模に行いました。

これは、AWSの定めたセキュリティルールに準拠できるように始めた新しいチャレンジです。AWSでも事例として紹介されました。