メドピアグループがCTOを中心とする開発組織体制から「VPoE+テックリーダー体制」に移行してから約1年。Vice President of Engineering(以下、VPoE)の平川が「新体制で挑んだ開発組織の1年」を振り返ります。
そのうち「技術」にフォーカスした前回に引き続き、今回は「開発組織」にかかる変化と、不変のカルチャーについても語ってもらいました。
📎※本記事の前編「技術編」はこちら
VPoE 平川 弘通
2018年メドピア入社。新規プロジェクトの立ち上げやエンジニアのマネジメント、採用などを担当。「ありひー」の愛称で親しまれている。
新体制がもたらした開発組織の変化
――2022年7月にCTO体制から「VPoE+テックリーダー」の新体制に変わりました。あらためて、この1年どのような体制で組織を運営してきたのか教えてください。
開発組織の拡大を見据え、組織マネジメントと技術領域の牽引をCTOが一手に引き受けていた体制から、組織マネジメントはVPoEへ、技術面の意志決定はテックリーダーへと役割を分散させた体制を敷きました。
テックリーダーはサーバーサイド、フロントエンド、アプリ、セキュリティ、そして全領域を広くカバーする「シニア」の役割の5名体制になっています。
――ありひーさんから見て、新体制によって開発組織にもたらされた良い変化とはどのようなものでしょうか?
まずは、技術導入や改善の意志決定を各領域のテックリーダーに任せるようにしたことで、プロダクトを越えた技術の導入・改善やナレッジ共有が、これまで以上に活性化しました。
課題は大小さまざまでしたが、テックリーダーから社内の有識者に働きかけるなど、各自が課題の発見・解決に向けた動きをしてくれたので、狙い通りの成果が得られたと考えています。
一方で、私とテックリーダー間のコミュニケーションの中で、技術“以外”の話も多く挙がったのは想定外でしたね。
――技術“以外”と言うと?
採用や人材育成など組織運営に関するテーマが多かったです。
事業成長に伴い新しい開発プロジェクトを立ち上げたり、新技術を導入したりする際も、対応するスキルセットをもつメンバーのアサインが検討事項に必ず入ります。そこからやはり「採用」のニーズに行き着くことも多くありました。
テックリーダーたちが技術領域のスペシャリストでありながら、メンバーマネジメントや組織開発も自分自身のミッションとして捉え、「事業成長のための技術力を高める手段」として、広い視野をもって「採用」や「組織開発、カルチャー醸成」についても考えてくれていました。
これは私にとってうれしい誤算でしたが、テックリーダーはもともと採用や育成業務も担当しているメンバーが多いので、ある種自然な思考回路なのかもしれません。
若手メンバーの育成経験を活かした、組織ぐるみの新卒採用・育成
――ありひーさんだけでなくテックリーダーのみなさんもそういった視点で会話がなされているというのは、心強いですね。そのような新体制下で、新たに取り組んだことがあれば教えてください。
これまではキャリア採用に注力してきましたが、2023年度に初めて「新卒採用」に取り組みました。
新卒は業務経験が無いが故に、技術スキルはポテンシャルで推し測るしかありません。だからこそ「探求心の強さ」「行動力」「メドピアの良いカルチャーを受け継いでくれるか」といった成長マインドの面を選考では重要視していたので、見極めには難しさもありました。しかし入社してくれた23卒のメンバーは、すでに自らアウトプットを出してくれるなど意欲も高く、会社に良い風を吹き込んでくれていると感じています。次世代を担うエンジニアの採用・育成に注力することは今後もメドピアの発展に大きく寄与する要素だと改めて思います。
――メドピアでは以前からエンジニアの「ポテンシャル(実務未経験)採用」も行っていましたよね。若手エンジニアの育成には強みを持っているのでしょうか?
そうですね。過去にポテンシャル採用で入ってきたメンバーもそろそろ2、3年目を迎えており、多くが開発チームのリーダーを担えるような力をつけてきています。
メドピアはポテンシャルで入社して社内で成長してきたメンバーと、そういった若手メンバーの育成に長く貢献してきたメンバーの双方の立場の社員がいる組織なので、「育成に対する意識」は非常に高いです。若手メンバーに対して「教えたり共有したりしながら共に成長しよう」というマインドのメンバーが多いなとしみじみと感じています。
2019年から始めた「若手の採用〜育成〜登用」の流れを汲んで、エンジニアマネージャーが次のリーダーを育成し、成長したリーダーたちがさらに若手メンバーや新卒入社メンバーのメンターとなって育成を進めるという、良いサイクルが出来上がってきているように思います。
良いカルチャーの継承と進化を求めて
――これからも開発組織の成長を目指されると思うのですが、この1年でカルチャーや風土の面では何か変化がありましたか?
変化というより、継承と進化を目指しているカルチャーがあります。メドピアらしい開発組織の行動指針である「HRT(謙虚・尊敬・信頼)」です。これは以前から継承し続けているカルチャーで、これを保ち続けるために私は意識的に口に出し続けてきました。
すでにメドピアの開発組織にはしっかりHRTが浸透していると自負しているのですが、そんな文化が根付いた理由のひとつは「前CTOがずっと唱え続け、体現してきたから」です。私自身も「HRTの文化が根付いている会社であればきっとより良いアウトプットができるはず」と考えて入社しました。
私がVPoEに就任してから継承することの難しさも感じましたが、大事にしているカルチャーは以前と同じように伝え続け、体現すること。そして体現している人たちをどんどん称賛したい。そう思って行動しています。
――カルチャーを継承する難しさ……。具体的にどんなところに難しさを感じますか?
この3年間、リモート環境下で「対面でコミュニケーションをとる」機会がなかなか作れなかったのが苦しかったところですね。一緒に働くエンジニア同士で「お互いの顔がわからない」状態では、得られる情報量が必要最低限になりがちです。その場の雰囲気や空気感など言語化しづらい部分で感じ取るカルチャーはなかなか共有しづらいものです。
メドピアのエンジニアが社内でどんなコミュニケーションを取り合っているのか、実際に雑談を交わしている場面を見て「ああいう風に話しかけていいんだ」「こんな雰囲気なんだ」と肌で感じることがカルチャー浸透に大切な体験だと感じたので、私も折を見て対面コミュニケーションの機会を設けたり、メンバーに促したりしています。
――コミュニケーションを活性化する工夫の仕方は、コロナ前後での変化があり今後も大きなテーマになりそうですね。
おっしゃる通りです。5月には社内でオフラインの勉強会を開催したのですが、多くのメンバーが参加して楽しそうに言葉を交わしていました。思った以上に、対面で会話することを求めていたんだなと感じました。
このような勉強会もそうですが、過去に行ってメンバーの反応も良かった取り組みは、これから少しずつ再開したいと考えています。
余談ですが、実は23年4月に約3年ぶりの「開発合宿*」を行い、昔泊まった宿にもう1度泊まってみんなで懐かしもうと計画していたのですが、いざ参加者を集めてみると初参加のメンバーばかりで、メドピアでの開発合宿の経験者は私一人しかいませんでした(笑)。あらためて、この約3年間でたくさんのメンバーがジョインしてくれたこと、そんな中で対面コミュニケーションの機会が以前より減っていたのだなと感じましたね。
しかし、今は今に合ったやり方があります。新たに根付いたリモートワークに最適な文化やリモートワークの利点を大切にしつつ、リアルのコミュニケーションも活性化させるようなハイブリッドワークを開発組織内でもより推進していきたいと思います。
――最後に、候補者のみなさんに向けてメッセージをお願いします!
これからもメドピアの事業成長とともに、開発組織も成長を目指します。
私たちと「よりメドピアらしい良い開発組織」を作りながら、開発を楽しみ、成長していける方とご一緒したいです!
新体制になっても変わらない「メドピアらしさ」、そして新体制だからこその「新しい魅力」について感じられるインタビューでした。ありひーさん、ありがとうございました!
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