メドピアでは2023年10月からエンジニア組織を再編し、VPoT/VPoE(※)体制へと移行します。VPoEからVPoTとなる平川と、新たにVPoEとなる濱田が体制変更の背景と、グループの事業成長を支えるエンジニア組織の在り方について語ります。
※ VPoT:Vice President of Technology VPoE:Vice President of Engineering
執行役員VPoT。2018年メドピア入社。これまで新規プロジェクトの立ち上げやエンジニアのマネジメント、採用などを担当。2022年7月以降は執行役員VPoE兼 サーバーサイドテックリーダーとして開発組織をリードしてきた。
「ありひー」の愛称で親しまれている。
VPoE。2021年7月メドピアに入社。2022年10月よりこれまで集合知プラットフォーム事業部開発部副部長 兼 同事業部開発部開発1グループリーダーに就任し、主に「MedPeer」など医療従事者向けプラットフォーム事業内サービスの開発をリード。
コーヒーにこだわりがあり、オフィスでよく社員にふるまう。
―お二人の経歴を教えてください。
平川(以下、ありひー):新卒で地元SIer、2・3社目ではSNSやソーシャルゲームの開発やエンジニア人事も経験してきました。メドピア入社後は、「MedPeer」のほか退院支援サービス『Yorisoi Care』、味の素株式会社様との共同事業である『aminoステップ™』などを担当して、採用活動にも携わってきました。2022年7月以降は執行役員VPoEおよびサーバーサイドのテックリーダーとの兼務を経て、今回の執行役員VPoT就任に至ります。
平川の経歴や昨年度までの組織の変化について詳しくはこちら
濱田:私もメドピア入社までに3社を経験してきました。新卒入社したメーカーでは組み込み系のエンジニアでしたが、別プロジェクトへのアサインをきっかけにWebエンジニアに。2社目以降では開発に加えて企画や数値管理などWebディレクター的な立ち位置も経験しました。メドピア入社後は、「MedPeer」のサービス改善や、集合知PFでのマネジメントも担当したのち、今回VPoEに就任しました。
濱田の経歴や所属の組織について詳しくはこちら
VPoTとVPoE―2つの責任範囲の分掌
―さっそく、10月からの新体制についてお聞かせください。
ありひー:2022年7月上旬までCTO体制を敷いていましたが、同年7月からは私がVPoEとなり、また各技術領域にテックリーダーを配置する「VPoE+テックリーダー体制」へと開発組織を再編しました。1年間の組織開発・業務改善を行うとともに、新たな課題も見えてきたため、より良い組織を目指すべく今回の「VPoT/VPoE」体制への変更に至りました。
役割を大まかに説明すると、私がVPoTとして技術面の意思決定を全社単位まで広く担い、濱田さんがVPoEとしてエンジニア組織のマネジメントを担うことになります。
―今回の体制変更によって、どのような変化が起こるのでしょうか。
ありひー:これまでの当社のVPoEで一手に担っていた役割を、2名体制で分担することで、それぞれの職掌でよりスピーディーな決断を可能にします。
私はVPoTとして、テックリーダーと連携しながら、社内で扱う技術全体の意思決定をメインの業務として担当します。それから、インフラや品質まわり、デザインなどエンジニア組織の各領域を横断的にマネジメントする業務もありますので、こちらも継続して担当します。加えて、メドピアとして新たにとり入れたい技術の開拓や研究を進めていきます。
濱田:私はエンジニア組織のマネジメントを担当します。メドピアの事業ごとに置かれた開発部と、それらを束ねる開発部門のマネージャーと連携しながら業務にあたります。ピープルマネジメントも私の職掌なので、メンバーのアサインをはじめ、必要な人材の採用なども担当することになります。
組織の意志決定スピード向上のために
―今回の変更に至った背景に、どのような課題があったか教えてください。
ありひー:エンジニア組織の長としての技術面の意思決定やフォロー、さらに各事業プラットフォームを横断的にマネジメントするVPoE室の管理など、VPoEとしての業務範囲が非常に多岐にわたっていたことで、意思決定のスピードがどうしても落ちる場面がありました。
それが結果として生産性を下げることにもつながりかねないため、早期に改める必要があると感じていました。
濱田:ありひーさんが仰ったことは、私がいちメンバーとして入社した当時も課題を感じていた部分です。相談や質問があるときに、CTOやVPoEといった、1人のトップに回答責任や意思決定が集約されますよね。そうなると、判断に何日もかかってしまったり、時間が過ぎて立ち消えになってしまうこともありました。
ありひー:あと、昨今では“生成AI”の存在も大きかったですよね。
濱田:そうそう。ChatGPTといった生成AIの普及が急加速して、AIへの世間の関心が急激に高まりましたよね。あの時期に、メドピアと規模の近い企業がすごいスピードでR&D組織を立ち上げて、1カ月もたたないうちにプロダクトへと落とし込んだ事例を見て、そのスピード感にビックリして…。調べてみると、やはりその企業には前々からテクノロジー面に特化してリードする人がいて、技術開発の土壌があったことを知りました。
正直、当時のメドピアの開発組織のままであれば、同じことができるとはあまり思えませんでした。今後また同じようなチャンスがあっても、すぐに反応できないのはもったいないと思いました。
ありひー:メドピアには各技術領域に特化したテックリーダーがいますが、それゆえに個々の領域外のことに手が出しにくい環境になっていたのかもしれません。その時点で社内の利用方針や制度まわりを一定整えることはできましたが、やはりいち早くアクションをとれるようにするための体制改善の必要性を感じました。
ただ、生成AIが医療DXの加速に大きく影響するであろう、というポテンシャルはメドピアとしてもすぐに感じ取っていました。今はサービス化実現へ向け、メドピアグループとしてプロジェクト化して鋭意推進中です!
濱田:社内公募方式をとってグループ一丸で進めているのは、メドピアらしいですよね。
ありひー:募集の多さや参加者の意気込みからみんなの熱量を感じました。
―VPoT/VPoE体制の構想はいつごろから?
ありひー:実は、VPoEとテックリーダー体制をスタートさせた当初から並行して、頭の中にはありました。当時の「現状最適」な体制であったとは思いますが、メドピアがさらに成長して次のステップに進むなら、やはりVPoEひとりで担っている役割を誰かと分担していく必要があると感じていました。
濱田:2022年7月からありひーさんがVPoEに就任してから、私もVPoE業務を裏でサポートさせてもらっていたのですが、やはり各方面の意思決定スピードを早める体制改善の必要性は感じていて、定期的な1on1を重ねる中で「VPoT/VPoE」とするような分担や体制変更について提案を進めていました。
ありひー:経営層には早い段階から、意志決定の範疇を分けた役割を設けたいという話を始め、1年という早いスパンでの変更に至っています。
補完関係でタッグを組み、今のメドピアに最適な開発組織を
―ありひーさんがVPoT、濱田さんがVPoEという役割はどのように決まったのでしょうか?
ありひー:当初は、自分がVPoEのままで、VPoTを新たにアサインする前提で検討していました。そんな折に、生成AIがトレンドに隆盛しました。元々新しい技術に触れていくことが自分の興味志向として強いので、自分でいろいろと調べているうちに、社内では生成AIに関するリサーチの第一人者のような役割になっていました。そこで「案外、自分が技術面の意思決定にまわり、組織マネジメントの面を誰かにお願いしてもいいのかも」と気づきました(笑)。その選択肢が出てきてからは早かったですね。
濱田:メンバーに今回の変更を伝えたときにも「ありひーさんは、確かにVPoTっぽい!」という声がありました。
ありひー:そして濱田さんは、元々エンジニアの育成や目標設定・フォローといったピープルマネジメント分野で意見をくれたり、早くから仕組み化に取り組んだりしてサポートをしてくれていました。だから濱田さんにはその分野を信頼してお任せできると思い、VPoEのポジションをお願いしました。
濱田:確かに私も元々、みんなが業務を行いやすいようにシステム化するのが好きなんです。一方で、会社の顔になるようなカリスマ性みたいなものは持ち合わせておらず(笑)。技術面の広報活動としてはありひーさんが人脈をすでにたくさんお持ちですし、現在も積極的に社内外の交流活動を進めて、メドピアのエンジニア組織の「顔」になってくれています。
カリスマって2タイプいると思っていて、一つは「俺についてこい!」とリードしていくタイプで、もう一つは自然と人が集まってきて、愛されるタイプ。ありひーさんはその両方を持っているんですよね。VPoTは技術面のフォローだけでなく、エンジニア組織が目指すビジョンを立てて、そこへ向けてみんなを引っ張っていく役割もあると思っているので、ありひーさんには引き続きリードしていただきたいです。
ありひー:2名で意志決定の責任範囲を分けたことでお互いのやりたいことがぶつかるかも、という懸念はありましたが、ふたを開けてみると得意・不得意ややりたいことが綺麗に分かれていて(笑)。パズルのピースがうまくハマったというか、補完しあいしながらやっていけそうだなという感じはありますよね。
組織力・技術力を両面アップグレード。より強いエンジニア組織へ
―今後についてもお聞きします。メドピア全体やエンジニア組織において維持・強化していきたい点はありますか。
ありひー:HRT(謙虚・尊敬・信頼)の文化がしっかりと根づいているところですね。お題目として唱えなくても、もう当たり前にみんなが持っていると思っています。
濱田:それは、プルリクのレビューの丁寧さにも現れていますよね。ちなみに私は、入社当日にSlackで挨拶をしたら、自分が配属された以外のチームからも「ようこそ!」「よろしく!」といった返信がたくさん来たことに驚きました。きっと皆さん当たり前に返してくれたんだと思いますが、素敵だと思いました。
ありひー:エンジニアに限りませんが、事業部やグループ内だけでなく、横のつながりも大切にする人が多いですよね。
濱田:それから、エンジニア組織についていうと“事業目線”を持っているエンジニアがすごく多い。たとえば常にリファクタリングだけを気にするようなアンバランスな考えではなく、「今は売り上げを追いたい」とか、「開発スピードを優先すべき時期」といった、ビジネスとしてサービスを動かそうとする観点も持ち合わせている人が本当に多いと思います。
―このエンジニア組織で、特にチャレンジしていきたいことを教えてください。
ありひー:新技術やトレンドに対してしっかりと研究開発のできるチームを立ち上げたいと思っています。やはり生成AIに対する技術キャッチアップや、各事業でとれているデータを分析して活用することなど、もっと強化したいポイントはたくさんあります。それにより、社会からはテック企業として技術に強いとか、敏感だとか、そういったイメージを持ってもらえるようにしたいですね。
濱田:VPoEとしてのミッションはエンジニア組織のマネジメントが主になりますが、その最たる目的は、開発組織にとどまらず他の事業部や、ビジネス部門と相乗的なシナジーを生み出すことだと思っています。
細かな業務での連携や協働は現在でも行っていますが、さらに大きなプロジェクトやグループ、事業部同士の間でももっとうまくワークできる伸びしろがあると感じています。事業部門/開発部門などといった職種/職責にとらわれず、社員の皆がCredoに基づいて共創するからこそ出せるバリューが、メドピアにはあると確信しています。
ありひー:そのためにまずは、このVPoT/VPoE体制をしっかり運用したいですね。もちろんこれは最終形態ではなく、「今のメドピア」にフィットした形であるということです。これからもメドピアの成長に合わせて、最適なエンジニア組織の形へと変化し続けていきたいです。
濱田:よろしくお願いします!
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