メドピアグループでは組織変更に伴いVice President of Engineering(以下、VPoE)に平川が就任、2014年からCTOを務めた福村が退任し、新たな体制がスタートしました。
平川のVPoE就任に伴う体制変更の背景、想い、これからメドピアのエンジニア組織が目指す未来について、前CTO福村とVPoE平川が語りました。
VPoE:平川
2018年メドピア入社。新規プロジェクトの立ち上げやエンジニアのマネジメント、採用などを担当。「ありひー」の愛称で親しまれている。
前CTO:福村
福村 彰展(@fukumura)
2012年メドピア入社。medpeer.jpの開発に従事し、2014年に当社執行役員に就任。10年近くにわたりCTOとしてメドピアグループのエンジニア組織をリード。
―まず、お二人のこれまでのキャリアについて教えてください。
福村:新卒で大手SIerに入社し、主に大企業向けのISPサービス開発を担当しました。2006年に事業会社へ参画したあと、より社会的貢献性の高い会社でエンジニアリング力を発揮したい!と思い、2012年にメドピアへ入社。2014年からCTOを務め、CTO就任後は、サービス開発全般・技術基盤・エンジニアの組織作り・採用・評価・社内IT・セキュリティ・QA・デザインなどをマネジメントしてきました。
平川(以下、ありひー):大学卒業後、地元のSIerに入社し、2社目、3社目でSNSやソーシャルゲームの開発に携わった後、メドピアに入社しました。
メドピアでは、医師専用コミュニティサイト「MedPeer」に携わった後、クリサポ、ヤクメド、スギサポの開発を行い、直近ではEM(エンジニアマネージャー)としてグループ戦略室で退院支援サービス『YoriSoi Care』、ライフログプラットフォーム事業部で味の素株式会社様との共同事業である『aminoステップ™』やCCCマーケティング株式会社様との共同事業である『Tヘルスケア』などの歩数計アプリを担当してきました。
HRT(謙虚・尊敬・信頼)を大切にできるエンジニア組織
―福村さんは長くメドピアのエンジニア組織を牽引されてきていますが、CTO就任当初はどのような組織だったのでしょうか?
福村:CTO就任当初はエンジニアが10名以下でしたが、今は業務委託の方も合わせると100名を超えていて、サービスの数もものすごく増え、大きな組織になりました。もちろん単純に規模が大きくなっただけでなく、ありひーさんを中心としたリーダー層の厚みが増し、バランスも変わりました。言うなれば、メドピア史上もっとも強いエンジニア組織になっていると思っています。
ありひー:たしかに技術でリードするエンジニアがいて、マネジメントにも長けているメンバーもいるという、バランスの良い組織になっています。加えて若手の成長スピードにすごく勢いがある、というのも組織の状態として特筆すべき点だと思います。
―リーダー層に厚みがあり、若手の成長著しい組織は強いですよね。そんな組織づくりが成功した理由は何だと思いますか?
ありひー:HRT(謙虚・尊敬・信頼)※を念頭においた開発カルチャーづくりですね。題目として唱えるのではなく、自然と実践できている状態になるまで、徹底して大切さを伝えています。
福村:相手を尊重しつつも課題に対して真剣に議論する姿は、今では当たり前になってきましたね。私が好きな動きとしては、障害が起きたときにまず解決に向けてみんなで考え、対応にあたっていくところですね。ほかにも開発ブログを書いたら、全エンジニアにシェアしてレビューすることでブログのクオリティを高めるとともに、寄稿者の心理的安全性を高めたり、うまくいった施策があれば、知見を共有しあうことでより良くしていくとか。例を挙げるときりがないですが、そういうアクションが自然と出てくるのは、HRT(謙虚・尊敬・信頼)をエンジニア全員が大事にしてきたからだと思います。
ありひー:いい意味で大人な人が多いし、ビジネスについて語れるエンジニアがたくさんいるのもメドピアの特徴ですね。ビジネスサイドとのコミュニケーションで「この開発を優先するのは何故か?」「ユーザーの満足度が高まり、サービスを成長させるために必要な機能は何だろう?」ということを日常的に話すので、エンジニアであってもビジネスについて考えるクセ付けができていると思います。
もちろん極端にビジネス重視というわけではなく、モダンな技術を積極的に取り入れたり、開発効率が下がる原因となっている負債を解消するリファクタリングを積極的に行ったり、技術について研鑽を怠らない姿勢もメドピアの特徴ですね。技術領域ごとにスキルの高いエンジニアがいるので、お互いに技術を高めあえる環境である点も組織力として誇れる点です。
福村:開発環境・技術スタックへの取り組みについては私の入社当初と比べると大きく変化したところかもしれません。当時はPHPの独自フレームワークで開発をしていて、利用バージョンに対する意識も低かった。最近では、積極的にバージョンを上げていこうとするチームの雰囲気になりました。他の企業に先がけてバグを踏む、プルリクを送る(解決策の提供する)といったOSS※へ貢献する動きが出てきているのは、とてもうれしい取り組みです。
ありひー:直近では社内でまだトライしていない技術を取り入れようとするチームも出てきているんですが、その発想が単純に「技術を使いたいから」ではなく、「これを使うと事業成長が加速する」と事業目線を持ってチャレンジしているのも良いなと思っています。
―社内勉強会やテックカンファレンスの参加推奨など、技術研鑽の取り組みも積極的に行われてきたのですね。
福村:そうですね。エンジニア一人ひとりがWeb開発におけるフルスタックな技術習得ができる会社を目指して、サーバサイド・フロントエンド・インフラなどの領域にとらわれない組織をつくってきました。たとえば、勉強会は業務時間内で設定し誰でも参加可能にしたり、関わっていないサービスのソースコードも見ることができたり、プルリクを送れたり。
今ではそれがメドピアにとって当たり前となっています。エンジニア一人ひとりがはみ出た技術を習得することが会社の成長を加速させていくことにつながるということを理解してくれている点や、会社が提供する場を利用して、本気で自身の成長にコミットしてくれている点はとても誇りに思う点です。
組織の成長に併せて体制を変える
―そういった取り組みが背景にあって、エンジニア組織が成長してきたんですね。
ありひー:Rails未経験で入社した若手社員がエンジニアリングを楽しみながら爆速で成長し、中堅エンジニアは自分たちが持っている知見を若手に惜しみなく伝える。会社は場を用意することしかできませんが、メドピアはそれをうまく活用してくれるメンバーで溢れていると思います。
福村:成長できる環境を整備するだけでなく、ほかにもCTOとしてエンジニア目線で組織運営で違和感がある点は修正してきました。
一つひとつ挙げるときりがないですが、たとえばコミュニケーションがメール文化だったのをslackをメインにしたり、裁量労働制を正しく運用したり、評価制度を整えたり…。CI/CD・コンテナ化・ブルーグリーン・デプロイメント、Rails化など開発環境も整備したし、AWSの機能をフル活用してセキュリティの強化にも取り組んできました。
―福村さんが取り組んできたさまざまな取り組みが結実し、一つの大きな区切りがついたということなんですね。
福村:はい。10年かけてエンジニアにとって当たり前なことを、メドピアのエンジニア組織のカルチャーとして根付かせてきました。そして、今、それらとエンジニアの成長が嚙み合ってきたなと感じています。だからこそ、これから組織がさらに拡大していくフェーズで新しい体制に移行していくタイミングだと考え、CTO退任を決断しました。
これまでの歴史を継承し、あらたな発展に向けて挑戦する
―ありひーさんはVPoEとして、メドピアのエンジニア組織のこれからについてどのように考えていますか?
ありひー:私の役割はVPoEとしてエンジニア組織のマネジメントと、技術領域ごとのプロフェッショナルなエンジニアと協働して、メドピアの技術力を向上させていくことです。
CTO体制からVPoE+テックリード体制へ
エンジニア組織のマネジメントを行う上で重要だと考えていることは、これまでの"良いカルチャーの継承"です。特にHRT(謙虚・尊敬・信頼)とCredoは、メドピアのエンジニア組織としてもっとも大切にすべき価値観として、引き続き大切にしていきます。
技術力の向上については、技術領域ごとのプロフェッショナルとともに後述するテックイシューの解決に挑戦していきます。若手のエンジニアも多く入社してくれているので、彼らのスピード感ある成長を促しつつ、ビジネス的な視点と技術、どちらも持ち合わせたエンジニアを今後も増やしていきたいです。
また2020年以降、メドピアの働き方としてオフィス出社とリモートワークを活用したハイブリットワーク が基本方針となりました。それに伴い社員同士のつながりが薄くなっているように感じています。エンジニア間はもちろんですが、ビジネスサイドの社員とのつながりも強化していき、つながりの中で「互いに称賛しあえる文化」を醸成していきたいですね。
こちらは余談ですが、前CTOの福村が「いじられるキャラ」だったので自分も同じ路線を踏襲しようと個人的には思っています。(笑)
チーム一体となってMissionとVisionを実現していくために、1人ひとりが行動するときの約束として定めているもの
―キャラクターの継承、というのもあるのですね(笑)。今後の技術的な挑戦についてもう少し詳しく教えてください。
ありひー:先述の「つながり」ある組織になっている前提での挑戦ですが、現在の開発組織が抱えている技術的課題を技術領域別のテックリーダー達と解決することに挑戦していきたいです。
技術領域別に達成したい「テックイシュー」
テックリーダー達を中心にテックイシューの解決に取り組み、より大きなエンジニア組織へ成長するための基盤構築を実現します。またモダンな技術を使用するための環境整備と同じくらい、セキュリティの強化にも励みたいと考えています。
福村:扱っている情報の質を考えると重要なテーマであることは間違いないですよね。これまでも注力していましたが、会社のフェーズを考えるとより一層、大切な取り組みになりますね。
―最後に福村さんから、VPoEに就任したありひーさんやメドピアのエンジニア組織に対してエールをお願いします!
福村:これから組織がさらに拡大していくフェーズです。正直、新体制に対して何の心配もしておらず、期待感しかありません。私はこのタイミングでメドピアを卒業しますが、ありひーさんを筆頭に優秀なメンバーでこれまで私が作ってきた良い面はより良くしていきつつ、悪い面は直していってもらうことでさらなる成長の加速を期待しています!
ありひー:これまでのカルチャーを継承しながら、新生メドピア・エンジニア組織として、メンバーをもっと巻き込みながら、社員一人ひとりはもちろん、メドピア全体としても業界内にプレゼンスを発揮できるようにがんばっていきます!!
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